「WordPressが使える」とはどんなレベルなのか?ランク別に解説してみました
以下追記しました!
環境構築に関する知識(F,E,D,Bランク)
SCSSをコンパイルする手段(D,Bランク)
大規模なアクセスにも耐えられるテーマの構築(Aランク)
今回は、「WordPressが使える」とはどんなレベルなのかを業種別に、僕の独断と偏見でランク分けした記事を執筆してみました。
ただランク分けするだけでは、他の記事とあまり差別化が図れないので、「このランクだったら、WordPressでこんなことはできるんじゃない?」とか、「こういう仕事はあるんじゃない?」みたいなものもまとめてみました。
この記事を読んで、ちょっと努力しないとやばいな...と思うも良し、なんだ意外とできるじゃんって思うも良し!
ちょっとした豆知識程度に捉えていただければ幸いです。
WordPressに興味がある人はもちろん、WordPressとか全く興味ないけど暇を持て余している人は是非読んでみてください。
https://twitter.com/karukichi_yah/status/1274289632415379456
現時点で、カルキチのブログ史上もっとも反響が得られた記事となりました!
多くのいいねとRTありがとうございます!
WordPressのレベル感について
今回は以下のような流れで執筆していこうと思います。
- 各ランクごとにいくつか項目を挙げる。
- ランクごとにできそうな業務や仕事について解説。
本当に独断と偏見で執筆したので、あくまで参考程度にお願いします。
Fランク
まずはFランクについてです。
Fランクに該当する方はこんな感じです。
- 記事を書いて公開することができる
- 固定ページと投稿ページの違いはわかる
- カスタム投稿やカスタムフィールドは使ったことはおろか存在もしらない
- カテゴリーやタグなどを自分で作って記事に設定することができる
- プラグインをインストールして設定することができる
- WordPressをネットワークに繋がずに動かす方法を知らないor知っているがやったことはない
プログラミングやサイト制作を学習し始めの方は、だいたいこの辺りのレベルから始まるのではないでしょうか?
ブロガーなど、ユーザーとしてWordPressを触るならこのへんが理解できていれば大丈夫だとは思います。
ウェブディレクターとしてWordPressを触っている方も、このくらいのレベルの方が多い気はします。
Eランク
次にEランクについてです。
Eランクに該当する方はこんな感じです。
- 既存テーマのCSSなどを編集してサイトのデザインを変更することができる
- HTML・CSSならなんとか!(jQueryは苦手)
- jQueryは簡単なアニメーション(アコーディオンやスムーズスクロールなど)を実装したりできるレベル
- コーディングをしているよりもサイトのデザインを考えている方が楽しい
- PHPは分からないor触りたくもない
- ローカル環境の構築はXAMPPやLocalを使えばできるが、苦手だ
コーダーというよりデザイナー寄りの方がここに該当するのではないでしょうか。
コーディングというよりも、フォトショやイラレなど、デザインスキルの方が高そうなイメージがあります。
ウェブデザイナーならこのくらいできれば十分だと思いますが、コーダーとして働くのはギリレベルな気がします。
デザイン能力が高ければ、ポテンシャル採用とかはありそうですが、、、
Dランク
次にDランクについてです。
Dランクに該当する方はこんな感じです。
- HTML・CSSはもちろん!jQueryもまかせて!!
- 親テーマ・子テーマの概念を理解しており、テーマのカスタマイズをすることができる
- 有名なプラグイン(All In One SEO、Contact Form 7など)の使い方は理解している
- ページ数の少ない簡単なテーマ(LPレベル)なら自作できる
- サーバにWordPressをインストールして環境を構築することができる
- ローカル環境の構築は特に問題なくできる
- SCSSを使ってコーディングができる(コンパイルはEasy Sass)
WordPressの基本はバッチリだと思います。
このレベルまで辿り着ければ未経験でも、案件を取ったり、どこかで働いたりはできそうです。
WordPress案件を受注して継続的に稼ぎたいのなら、最低でもこのくらいのレベルは欲しいところです。
Twitterでよく見かける案件取りました!ツイートをしている方の多くは、このくらいのレベル間の人が多い気がします。
ただ、セキュリティ面の知識や、SEOの知識(主に内部周り)、パフォーマンスを意識したサイトの構築などの知識が欠けており、スキル的には中途半端な感じが否めません。
能力的には、DランクとCランクの間にはかなり高い壁があると思われます。
Cランク
次にCランクについてです。
Cランクに該当する方はこんな感じです。
- htaccessでリダイレクトの設定やURLの正規化ができる
- 基本的な内部SEOの知見を持っている
- WordPressの構造(どのディレクトリに何があるかなど)は概ね理解している
- メディアサイトなどファイル数・ページ数が多い複雑なサイトのWordPressテーマを自作した経験もある
- デザイン通りに概ね迷うことなくコーディングができる
- カスタムフィールドを使ったサイトの構築ができる
- jQueryは書けるが、普通のJavaScriptはあまり書けない
- PHPも条件分岐やループなら書けるが、WordPress以外でPHPを使うことはできない
- SCSSのコンパイルにgulpやnode-sassを使い始める
- WordPressでサイトを運営する時にセキュリティ系のプラグインを導入しなければいけない理由を具体的に説明できる
正直、独学でこのレベルに到達するのは相当難しいと思います。
レベル的には実務1〜2年レベルではないでしょうか。
Cランクまで到達できたら、デザイン力が多少低くてもWordPress案件を取得することは十分可能だと思います。
1年前の僕はCランク程度のレベルでしたが、クラウドワークスで5〜6件くらい営業をかけたら割とすんなり案件をとることができました。
→コーディング+デザインで3万円と安く買い叩かれた苦い経験があるので、2度とやらn...思いましたが、、、
Cランクまで到達できれば、WordPressを取り入れているウェブ制作会社なら、どこかしらは採用してくれそうな気はします。
人手が足りないところなら、むしろ来てくださいということもあるかもしれません。
Bランク
続いてBランクについてです。
Bランクに該当する方はこんな感じです。
- XSSやSQLインジェクションなど基本的なウェブの脆弱性を理解しており、対策を打つことができる
- WP_Query()やget_posts()などPHPの知識がないと使用するのが難しい関数をある程度使いこなせる
- wpdb、WP REST APIなどSQLの知識が必要な関数をある程度使いこなせる
- functions.phpに自作の関数を定義し、テンプレート内外で使い回すことができる
- 管理画面やプラグインなど、テーマ以外の部分のカスタマイズもできる
- HTTPリクエストの削減やCSS、JSの最適化(ミニファイ化)など、パフォーマンスを意識したサイトの構築ができる
- WordPressについてなんでも知っているわけではないが、公式ドキュメントを読めばWordPressで大概のことは実現できる
- Dockerを使用して、本番環境(サーバやPHPのバージョンなど)とほぼ同じ環境をローカルに構築できる
- SCSSのコンパイルにwebpackを使い始める
- Gutenbergのカスタムブロックを自作できるor自作したことがある
- 簡単なプラグインだったら自作できるor自作したことがある
個人的には、Bランクがコーダーとエンジニアの分かれ目な気はします。
コーダーとしては間違いなく即戦力だと思います。
サイト制作以外にもクライアントやディレクターなど第三者が編集しやすい管理画面の構築や、独自の機能(投稿を五十音順で表示できるようにしたりとか)を開発したりすることも多々あるので、コーダーやサイト製作者というよりも、開発者としての面が強いと思います。
技術的な話だと、WP_Query()やget_posts()などはクラスの概念の理解や、パラメータ(meta_keyやmeta_valueあたり)によってはSQLの知識が必要になるものもあるので、テーマ関数が書けますくらいのレベルだと太刀打ちできないと思います。
HTTPリクエストの削減や〜に至っては、webpackなどのモジュールバンドラーが必要なので、JavaScriptやNodeJSの知識も必要です。
もはやWordPress全く関係ありません。
エンジニアとしてWordPressを触れる人を募集している企業(フロントエンドエンジニアという肩書きで募集しているところが多い)で働きたい人や、エンジニアになりたい方はこのくらいのレベルは欲しいところです。
Aランク以上
最後にAランクについてです。
Aランクについては、周囲にAランクレベルの人がいないので、勘で書きました。
該当しそうな方はこんな感じでしょうか。
- WordPressで分からないことは基本的にはない
- GatsbyJSなどのJSフレームワークを使って、フロントとバックエンドが完全に分離したサイトを構築できる
- プラグインのカスタマイズを行う時に、ソースコードを読み解いて公式ドキュメントに載っていないフックを見つけ、適時使用することができる
- 公式サイトで公開されているレベルのプラグインの開発ができる
- ブロガー向けの高機能テーマ(SANGO、LION MEDIA、Snow Monkeyレベル)を開発した経験がある
- データの持ち方(カスタムフィールドで持つか、投稿としてデータを持つか)を考えて、大規模なアクセスにも耐えられるようなテーマを構築できる
- WordPressに関する書籍を執筆したことがあるor書ける自信がある
- 自分WordPressのコントリビュータっす
Aランク以上になるとプログラミングの知識が必要なのは間違い無いのですが、テーマや関数だけでなく、同じような機能を持つ同種のプラグインの差異や、WordPressの内部で何が行われているかをほぼ完璧に理解しているかなど、WordPressに関して、凄まじい知識を持った人というイメージがあります。
WordPressに関しては、向かう所敵なしレベルでは無いでしょうか?
最後とか書くことがなさすぎてちょっとふざけました。
まとめ
最後にまとめです。
F〜Aのランクはあくまで便宜上分類したものにすぎないので、ランクが低いから仕事ができないとか、そういうことではないので悪しからず!
- ウェブディレクターや、ブロガーとしてでWordPressを触っている人・・・Fランク
- ウェブデザイナー・・・Eランク程度
- コーダー・・・Dランク程度
- WordPressに詳しいコーダー・・・Cランク程度
- エンジニアでWPを触っている人・・・Bランク以上
おまけ
何かと叩かれがちなWordPressですが、ここまで叩かれる理由はWordPressを使用する人のレベル差がありすぎるのでは?というのを感じたので、今回この記事を執筆しました。
WordPressを親の仇に出会ったかの如く叩いている人は、WordPressに対して、Cランクくらいの人が使っているイメージしか持っていないからではないのかなと思います。
ただ、WordPressはレガシーな技術というのは未だにPHP5.4以前の記述がみられるので、そこは否定できないです。
→wp-includesのファイルを見ると、配列とか未だにarray()で書かれていたりするしw
最後になりますが、僕はBランクくらい(自称)はあると思います。